ピルの使用率が低い理由

■ピルの使用率ヨーロッパでは約30-40%

ピル(低用量経口避妊薬)に対して、どのようなイメージを持っているでしょうか。 日本は先進国の中でもピルの使用率がとても低く3%以下となっています。例えば、フランス、ドイツ、イギリスなどのヨーロッパでは約30-40%が使用しており、アメリカでは約15%です(アメリカは避妊手術の割合の方が多く、約20%を占めます)。フランスでは女性の人生に最も貢献した薬剤で1位に挙げられるほど重宝されているピルが、なぜ日本ではこのような低い使用率なのでしょうか。

■ピルの使用率が低い理由-1-

日本で極端にピルの使用率が低い理由はいくつかありますが、その1つは日本がなかなかピルを承認しなかったからです。ピルは性感染症の予防はできないため当時に問題となっていたエイズの感染拡大が懸念されたこと、女性の性道徳感が乱れるという意見もあったようです。しかし、ピルによって女性の性道徳観が乱れると言いますが、一方の男性はどれくらい女性の体のことを考えているでしょうか。女性が妊娠すると言うことは人生において一番と言ってもいいくらい大きなイベントですし、体にも様々な変化が現れ、学校や仕事なども今までどおりに続けることが難しくなる可能性が高いです。そのような将来のことまで考えて、積極的にコンドームで避妊している男性は少ないのではないでしょうか。実際にコンドームの使用の避妊方法に占める割合は約40%です。年間の人工妊娠中絶件数は未だに20万件と言われており、望まない妊娠で中絶をしなければいけない女性がたくさんいます。妊娠したかもしれないと不安に思いながら過ごす時間は女性の生活の質を落としますし、中絶によって心も体も傷つきます。 ピルはこのような望まない妊娠を防ぎ、女性の心と体を守るだけでなく、人生を不安なく幸せに生きることができるようになります。

■ピルの使用率が低い理由-2-

ピルの普及しないその他の理由として、認知度の低さと敷居の高さがあります。ピルについて知らない人の方が多く、副作用の方が怖いという話が先行しています。ピルの飲み始めの時には、少量の出血が続いたり、吐き気を感じることがありますがしばらくして慣れると感じなくなることも多いです。また血栓症といって、体の中の血が固まりやすくなることがありますが頻度が高い副作用ではないと言われています。また、医師の処方箋がないとピルを手に入れることができず、金額が高いこともなかなか普及しない理由でした。 最近では、個人でも通販などで安く大量に購入できるようになっているので以前よりも手に入りやすくなっています。

■避妊だけじゃないピルの効果

ピルは避妊目的と考える人も多いですが、月経不順や月経困難症、月経前症候群などの生理に関連する腹痛や腰痛、大量の出血、気分の変調、にきびなどの症状を抑える効果もあります。実際にピルを内服している女性の約40%はそのような副効果に期待し、約20%は副効果のみの目的で内服していると言われています。ピルの内服は子宮内膜症、卵巣がん、子宮体がんの発症を抑えたという医学的な研究結果も報告されています。ピルで卵巣を休ませることができるため、病気も進行しないばかりか、ホルモンバランスを整えることができ、妊娠を希望するときに妊娠しやすくなるとも言われています。ピルを内服していると妊娠しにくくなると思っている人がいますが、内服中止後1-3か月で妊娠可能な状態に戻ります。 このように日本でピルが普及しない理由は、承認の遅れ、認知度の低さ、敷居の高さ、誤った考え方など様々ですが、一方でピルがどれぐらい女性にとって有益な薬であるかも理解していただけたらと思います。

 

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低用量ピル