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デパスとは

デパスは1984年から日本の吉富製薬という製薬会社から販売された精神安定剤です。デパスは、抗不安薬や睡眠薬として、うつ病・不眠症・不安障害などの幅広い精神的な症状に使用されてきました。


デパスはしっかりと薬の効果を発揮してくれ、副作用症状が少ないという特徴があるベンゾジアゼピン系に分類される抗不安薬の1つです。


また、日本の製薬会社で開発・研究されている薬なので信頼性があり、気持ちを落ち着けてくれる効果も抜群なので、とても注目され、当時抗不安薬の代表だったセルシンに代わって、精神安定剤の第一選択薬として使用されてきました。


デパスの有効成分であるエチゾラムは、不安を和らげる作用、筋肉の緊張を和らげる作用、眠りに導く作用、けいれんを抑える作用の4つの効果が得られます。


デメリットとしては、薬の効果持続時間が大体3時間程度と短いので、気持ちを落ち着けるために次から次へとデパスを内服してしまい依存性が高まることや、筋肉の働きを弱めるので、転倒のリスクを高めてしまいます。 


デメリットはあっても効果は抜群ということで、デパスの愛用者は増え、デパスに依存する方が増えてきたことを受け、2016年10月に日本でデパスやデパスのジェネリック医薬品として販売されていたエチラームなど有効成分にエチゾラムを含む精神安定剤全てを海外から個人輸入することの禁止が決定され、今現在は自分で個人輸入することはできなくなっています。


しかし、デパスの販売が中止されたわけではなく、病院で医師の診察を受けてそれぞれの病状に合わせて処方してもらうことはできます。自分で個人輸入していた方でも病院に行き、医師の診察を受ければデパスを手に入れることが可能です。 


2016年にデパスの個人輸入が禁止されても、デパスは今でも治療薬として需要が高く、病院ではデパスの個人輸入が禁止されて以降も使用されています。そのため、デパスに代わる薬やジェネリック医薬品が次々と販売されるようになりました。 


デパスと同じ有効成分ではないので、デパスと全く同じ効果が得られるというわけではありませんが、たくさんの薬が販売されているので、自分に合った薬が見つかれば、依存性や副作用症状に悩まされることなく、安心して精神安定剤として使用することができます。 



成分と効果・副作用


デパスの有効成分であるエチゾラムは、脳のGABA受容体と言われる脳内神経伝達物質に直接働きかけます。 


エチゾラムは、不安を取り除く作用、筋肉をほぐす作用、眠りに導く作用、けいれんを抑える作用の主に4つの効果が得られるので、様々な精神症状に使用されてきました。どのようにこれらの作用があらわれるのか細かく説明していきます。 


1つ目の不安を取り除く作用は、脳の活動を抑えるためにGABA受容体に直接働きかけ、不安が強くなると活発になる脳の働きを抑えてくれるので、不安な気持ちを取り除いてくれます。 


不安という感情は脳の働きが活発になることによって起こります。不安な気持ちが強くなると、眠れなくなってしまったり、他のことに考えが向かなくなり集中力が低くなってしまうなど、他の症状も引き起こす原因になってしまいます。 


2つ目の筋肉の緊張を和らげる作用は、身体の緊張感をほぐして、リラックスさせてくれる効果があるので、あがり症の方などにも使用されていました。また、肩こりなどの改善にも効果的で、精神科だけでなく、整形外科などでも使用されていました。


3つ目は入眠作用です。不安を取り除き、脳の活動を抑制し、不安やストレスなどの考え事をせずに、眠りに導いてくれるので、不眠症の方にも効果的です。


4つ目のけいれんを抑える作用は、2つ目の筋肉の緊張を和らげる効果と関係しています。けいれんというのは、筋肉が収縮することでピクピクと引きつったような症状が起こるので、デパスを内服し、筋肉を弛緩させることで筋肉のけいれんを抑えることができます。 



このように、デパスには不安を取り除くだけでなく他にもリラックス効果や睡眠薬としても使用されてきました。


デパスを内服した時にあらわれる可能性がある副作用症状として、眠気・ふらつき・しんどさなどがよく報告されます。薬を過剰に内服しすぎると、薬が効きすぎて副作用症状があらわれやすくなるので注意が必要です。 


重たい副作用症状としては、もともと呼吸器系の持病がある人にあらわれやすい呼吸困難感があります。


また、デパスは薬の効果持続時間が3時間程度と短いので、頓用などを使用しすぎて依存する可能性が高く、依存しないように注意しながら内服しなければなりません。


デパスは気持ちを落ち着け、不安を取り除いてくれる効果が抜群なので、デパスを内服すると不安が取れるとことは確かですが、その反面デパスに頼り過ぎ、デパスを多用してしまい、デパスの効果が切れるとイライラしたり、落ち着きがなくなったりしてしまいます。 


また長期間内服すると、依存のリスクは高まり、少しの用量では身体が薬に慣れてしまい効果を発揮しなくなるので、デパスの用量をだんだんと増量していくことで、過剰摂取になると言った悪循環が生まれてしまいます。 


精神科の薬は一度内服すれば、依存してしまうと言われますが、不安定な精神バランスを精神安定剤を使用して、落ち着けることも大切な治療方法の1つです。 


ただ、内服するときにきちんと用法用量を守り、薬に頼り過ぎないことが重要です。特にデパスなどの依存性を持つ薬は自分の判断で薬の量を調整したりせず、医師の診察を受けて、医師と相談しながらデパスの用量を調整していけば、依存するリスクを下げることができます。 



適応症


デパスは主に神経症・うつ病・心身症・統合失調症などの精神疾患の治療に用いられてきました。デパスの不安を取り除く、緊張をほぐす、睡眠を促すと言った3つの効果を活かして、様々な精神症状に有効です。


ストレスが原因となって起こる心身症や神経症は、精神的な症状だけでなく、身体的な症状もあらわれます。身体症状があらわれる原因はストレスや不安など精神的な面が大きく、その精神状態を和らげるためにデパスは適応されています。心身症や神経症では、睡眠障害があらわれることも多く、デパスはこの1錠で不安を取り除き、入眠作用があるのでよく使用されています。 


また、ストレスや環境など様々な要因が重なって起こるうつ病や統合失調症の症状としてあらわれる不安や緊張、睡眠障害にもデパスは効果を発揮するので、使用されています。 


不安や緊張を取り除くためにデパスはとても効果的ですが、誰でも日常的に感じる不安や緊張には使用されません。病院を受診して、医師の診断のもとで自分の力だけでは何ともできず、薬の力を借りて治療が必要と判断された場合にのみデパスは処方されます。 


日常的に感じる不安や緊張でデパスを内服してしまうと、依存性や他の副作用症状のリスクもあるので、不安や緊張を取り除く効果よりも副作用症状があらわれるリスクの方が高くなってしまいます。 


少しでも気になる精神症状があらわれた場合は医師の診察を受けて、処方されてからきちんと決められた用法用量で内服するようにしてください。 


他にも、デパスは精神症状に効果的なだけでなく、頚椎症・腰痛症・筋収縮性頭痛など整形外科的な筋肉の緊張で起こる症状にも効果を発揮してくれます。筋肉の症状を和らげてくれるので、これらの疾患によって引き起こされる痛みの緩和にデパスは使用されています。 



服用方法や注意点


デパスの内服は、定期的に内服する場合と症状があらわれた時に頓用として内服する場合の2通りあります。 


神経症やうつ病を発症していて、デパスを内服する場合は1日あたりデパス3㎎を3回に分けて内服します。心身症や頚椎症・腰痛症・筋収縮性頭痛の場合は、1日あたりデパス1.5㎎を3回に分けて内服します。また、不眠症の方が内服する場合は、寝る前に1~3㎎の範囲内で1回だけ内服します。 


デパスの用量は、症状のあらわれ方や年齢によって、人それぞれ用法用量が異なります。高齢者の内服には特に注意が必要で、1日に内服するデパスの量を1.5㎎までにして下さい。 


デパスを内服するときは、水かぬるま湯で内服するようにして下さい。飲酒してしまうとデパスの効果が過剰に発揮される可能性があるので、副作用症状があらわれやすくなります。デパスの内服中はアルコールを決して飲まないようにして下さい。 


不安や緊張が強くあらわれるあがり症などの症状を抑えるときは大体頓用で内服します。デパスは内服して30分ほどで効果があらわれ、その効果は3時間程度持続すると言われています。なので、緊張する場面の30~60分前に薬を内服し本番に備えるようにして下さい。


頓用で内服する場合も、1回の内服でデパスの量は1~3㎎の範囲内で、自分に合った量で調整します。頓用の薬を出されていても、少しの不安や緊張で内服してしまうと過剰摂取になり、依存性が高まるので、むやみに頓用を内服することは控えるようにして下さい。 


デパスは、妊娠中の方や重症筋無力症、緑内障、呼吸器系疾患などの持病をお持ちの方は内服できません。また、高齢者はふらつきなどの副作用症状が出やすく、転倒しやすくなり、骨折などの危険も高まりますので、高齢者が使用する時は特にデパスの用量に注意が必要です。 


また、もとから何か薬を内服している方は飲み合わせに注意が必要なので、事前に医師に伝えるようにして下さい。特に、他の精神剤を内服している場合は薬の作用を強めてしまったり、副作用症状が出やすくなる可能性があります。


長期的に内服している場合、自己判断で薬を中止したり、減らすと、反動で強い不安感やイライラなどの症状があらわれるので、薬の量を変えたいときは医師に相談し、医師の指示のもと行うようにして下さい。 


デパスには催眠作用があるので、デパス内服後に車などの乗り物の運転をすることは控えるようにして下さい。 


副作用症状なくデパスを使用できるように、使用方法・注意点に留意して使用するようにして下さい。



依存性と個人輸入禁止となった経緯


人気が高く、愛用者が多かったデパスですが、2016年10月にデパスの個人輸入が禁止されました。デパスを医師から処方してもらえれば今まで通り内服できるのですが、個人輸入は向精神薬に分類されたことで麻薬及び向精神薬取締法によって規制されました。 


麻薬及び向精神薬取締法では、麻薬と向精神薬の乱用を防止し、公共の福祉の増進を図ることを目的として、麻薬と向精神薬の輸入・輸出・製造・譲渡など医師から処方された本人意外が使用することを固く禁じています。 


また、医師から処方される場合でも、1回の診察時に処方できるデパスは14~30日間分と定められています。


そのため、向精神薬に分類されたデパス(エチゾラム)は輸入を禁止されることになります。なぜデパスの個人輸入が禁止になったのかというと、デパスは人気が高く、海外から個人輸入して使用している方も多くいましたが、医師の診察を受けずに自分で購入し内服することによって、過剰摂取や乱用などを繰り返し、デパスへの依存が問題となってきました。 


デパスに対する依存性は、健康維持を妨げるものとして、向精神薬に分類し、法規制によってデパスの個人輸入を防ぐことによって健康増進を目的として法改正が決定されました。デパスの個人輸入が禁止されるまでに、2016年7月19日~8月18日までの1ヵ月間、厚生労働省よりパブリックコメントの応募が第一段階として始まりました。 


パブリックコメントとは、公的機関が新たに規制を設ける時や改正する時に事前に国民からその変更に対する意見を求めることです。このパブリックコメントの意見を参考にして、今より良い行政を目指す事を目的として実施されます。


パブリックコメントの応募が終了し、2016年9月14日にデパスが向精神薬に分類されるという法令が公布されました。公布とは、法律の改正事項を国民に周知する期間で30日間設けられます。その後30日を経過した10月14日以降、デパスは向精神薬に分類され麻薬及び向精神薬取締法の改正案が施行されたことによって個人輸入が禁止されました。 


向精神薬は抗うつ剤や抗精神病薬、睡眠薬など精神的なものに関わる治療薬が分類されます。依存のリスクもありますが、精神疾患などの治療には欠かせない重要な薬です。日本における向精神薬の位置づけは、麻薬と同じで依存性や乱用のリスクがある薬は徐々に向精神薬に分類されています。 



デパスのジェネリック


デパスのジェネリック薬はたくさん販売されています。デパスのジェネリック薬として挙げられるのは、有効成分にエチゾラムを含む、エチラームやエチゾラム○○という、○○の部分にそれぞれ販売している製薬会社の名前が入る精神安定剤です。これだけでも各製薬会社から何種類も販売されています。 


デパスと同じ有効成分であるエチゾラムが使用されているので、効果はほとんど同じで、精神状態の安定・催眠作用・けいれんを抑える作用・筋肉の緊張を和らげる作用の4つの効果を脳に直接働きかけることで得ることができます。 


しかし、エチゾラムという有効成分は同じですが、薬の形状や作っている成分が少し変わっているので、効果のあらわれ方には多少の違いがそれぞれあります。 


それに加え、どちらもエチゾラムが含まれているので、向精神薬に分類されるため、病院で医師に処方してもらわなければ手に入れることができません。 


デパスを内服していたけど、デパスが切れてしまったという方は、デパスのジェネリック医薬品だけでなく、代替薬としてバスピロン5mgバスパージェネリック(バスピン)5mgバスパージェネリック(バスピン)10mgレクサプロジェネリック5mgなどが知られていますが、これらも不安な気持ちを取り除いてくれるために効果を発揮してくれます。 


有効成分も異なるので、デパスと全く同じ効果があらわれるわけではないですが、様々な薬があるので自分に合った薬が見つかるかもしれません。精神安定剤を使用するときは、依存性などの副作用症状のことも考えて、内服する前に一度医師に相談して、内服することが大切です。 



処方せんでの購入について


デパスは2016年に薬事法により、向精神薬に分類され、個人輸入が禁止されたので、病院で医師に処方してもらう以外に手に入れる方法はありません。病院では、精神科や整形外科、内科でも精神安定剤や睡眠薬、筋肉の緊張をほぐす薬として今でも幅広く処方されています。 


今まで海外からの個人輸入を利用して、デパスを手に入れていた方は病院に行かなければいかないので、その分の時間とお金がかかってしまいますが、今まで通りデパスを使用したいのであれば、病院で処方してもらうほか手段がありません。 


病院で処方してもらうためには、まず病院を受診する時と同じように自分の症状に合わせて上記のどれかから診療科を選んでください。腰の痛みなどの整形外科以外の精神症状や眠れないなどの症状の場合は、精神科を受診すると適切に医師が診察してくれます。 


問診や診察などで、あらわれている症状の程度を判断し、医師が薬を処方してくれますが、今までデパスを使用していたのであれば、自分が内服していたデパスの用法用量を伝えるようにして下さい。医師はその量を参考にして処方してくれます。 


処方箋を書いてもらえれば、そのあとはいつもと同じように近くの薬局で薬を受け取れば、デパスを手にすることができます。病院を受診すると、初診料や再診料や検査があれば検査料がプラス料金でかかってしまいますが、保険が適応されるので3割負担で済みます。


ここで、注意点としてデパスの処方は14~30日分までと決められていることです。なので、最大でも1ヵ月分しか処方してもらえず、1ヵ月ごとの定期的な通院が必要になります。 


面倒に思う方も多いかもしれませんが、定期的な通院をして医師に診察してもらうことで、症状に合わせてその都度デパスの量を調整してくれるので、デパスの乱用を防ぎ、依存することを予防する目的もあります。


デパスの個人輸入が禁止になって、病院を受診する・お金がかかるなどのデメリットも増えますが、自分の健康のことも考えて、依存性などの副作用症状のリスクを抑えるためにも、きちんと病院を受診して処方してもらうようにしましょう。