スマートドラッグ27品目が個人輸入規制、ラシックスも?代わりになるお薬は?|ベストケンコー薬剤師コラム

スマートドラッグ個人輸入規制

頭がよくなる・集中力が上がる・記憶力が上昇するお薬として知られているスマートドラッグ。最近では勉強や仕事の効率アップのために、通販を利用して多くの方がスマートドラッグを購入しています。

そんなスマートドラッグの一部の通販が、2018年度中に原則禁止になると厚生労働省から発表されてしまいました。

今回は、現時点で発表されている禁止予定のスマートドラッグや禁止になった後も個人輸入代行サイトから通販できる商品などをまとめたので紹介していきます。


スマートドラッグとは?


スマートドラッグは、服用すると「頭が冴えて集中力が上がる」「記憶力が高まる」などの効果があり、スマドラなどと略してよばれています。本来、スマートドラッグはてんかん、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、意識障害などの治療薬やサプリメントとして利用されています。

これらのお薬がインターネットを利用すれば簡単に手に入れることができるため、健康被害や乱用につながるおそれがあるとして、27品目のスマートドラッグの個人輸入が原則禁止になってしまいました。


スマートドラッグの規制はいつから始まるのか?


まだ具体的な時期は決まっていませんが、規制が始まるのは2018年の4月頃からの模様です。厚生労働省が2017年11月にスマートドラッグの規制を発表したときは2018年の年明け頃から規制する見通しでしたので、少し遅れているようです。


スマートドラッグはどのように規制されるの?


個人輸入代行サイトを利用してお薬を購入したことがある方は記憶に新しいかもしれませんが、2016年に抗不安薬デパスが輸入できなくなった件はご存知でしょうか?

デパスは、不安な気持ちや緊張を緩和する効果があります。2016年までデパスは一般薬として個人輸入に規制がなく、多くの方がストレスや不安解消のためにデパスを購入することができました。しかし、2016年10月にデパスは一般薬から向精神薬にカテゴリーが変更され個人輸入が全面禁止になってしまいました。

向精神薬は、「麻薬及び向精神薬取締法」の規定により、医師から処方された本人が携帯して入国する場合を除いて、一般の個人が日本国内に輸入することが禁止されています。違反した場合には処罰されることもあります。

今回のスマートドラッグの規制は、デパスのケースとは異なるようです。厚生労働省が税関を所管する財務省に通知で、医師の処方せんや指示書がなければ個人輸入できない医薬品に27品目を加えることになります。

そのため、スマートドラッグの個人輸入自体は全面禁止になるわけではありません。デパスのように全面禁止になるのではなく、医師が必要と判断し処方せんや指示書があれば今まで通り個人輸入することが可能です。

スマートドラッグには、日本ではまだ承認されていない優れた有効成分が含有しているものも多いので、どうしてもスマートドラッグが必要な方は医師に相談するようにしてください。

現在はまだ規制が開始されていないので、今まで通りスマートドラッグの個人輸入が可能です。規制予定のスマートドラッグをこれから紹介していきますので、もし現在使用しているスマートドラッグが規制対象でしたら今のうちに早めに購入してしまうのもおススメです。


個人輸入が原則禁止となる予定の品目は?


現在、厚生労働省が発表している規制予定のスマートドラッグの有効成分は以下の27品目です。


ピラセタム、レベチラセタム、アトモキセチン、シチコリン、ジヒドロエルゴトキシンメシル酸塩、ニセルゴリン、アニラセタム、エチラセタム、ネフィラセタム、オキシラセタム、プラミラセタム、イデベノン、ニモジピン、ビンポセチン、プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、ブロモクリプチンメシル酸塩、フロセミド、チアネプチン、ソマトロピン(遺伝子組み換え)、デスモプレシン酢酸塩水和物、タンニン酸バソプレシン、アドラフィニル、ナドロール、プロカイン塩酸塩(外用剤を除く)、デヒドロエピアンドロステロン、プレグネノロン


ピラセタムやレベチラセタム、アトモキセチンといった有名なスマートドラッグはやはり今回の規制の対象になるようです。しかし今回の規制では、集中力アップや記憶力上昇に効果のないスマートドラッグとは呼べないようなお薬も規制されてしまうようです。

個人輸入が原則禁止になるスマートドラッグの成分名だけではどのようなお薬かわかりにくいので、個人輸入代行サイトの大手「ベストケンコー」で今回規制される予定の商品や、その代替品になりそうなお薬を紹介していきます。


個人輸入が禁止になるベストケンコーの商品


  • ピラセタム(商品名:ヌートロピルノーマブレーン
  • 日本ではミオカームという名前で病院から処方されているピラセタム。ピラセタムは、服用することで脳に働きかけて記憶力・集中力・学習能力の上昇効果があるとして、スマートドラッグのなかで最も有名なお薬です。
    日本の病院からは抗てんかん薬として痙攣症状を抑える目的で使用されていますが、ヨーロッパや、中近東、中南米、アジア諸国では記憶障害、注意力・集中力の低下、小児の学習サポートのためにも使用されています。
    オーソドックスなスマートドラッグとして、学生から社会人の方まで、多くの方に服用されています。


  • アトモキセチン(商品名:アクセプタ
  • アトモキセチンはAD/HD(注意欠陥/多動性障害)のお薬です。日本ではストラテラという名前で製造・販売されています。服用することで脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンを上昇させることができ、注意力を高め、落ち着きを取り戻すことができます。
    スマートドラッグとして集中力上昇や、注意力アップのために使用している方もいれば、本来のアトモキセチンの効果であるAD/HDの治療のためにも使用されています。


  • プロプラノロール塩酸塩(商品名:インデラルシプラールプロパノール
  • アテノロール(商品名:テノーミン
  • ナドロール(商品名:アポ・ナドロール
  • プロプラノール塩酸塩やアテノロール、ナドロールは、先ほども紹介したように記憶力や集中力に関係なく、厳密にはスマートドラッグではありません。β受容体遮断薬といわれるお薬で、一部の個人輸入代行サイトではスマートドラッグのカテゴリで販売していることがあり、それで今回の規制に巻き込まれたようです。
    日本では服用することで心臓の過剰な働きを抑制し血圧低下・狭心症・不整脈・片頭痛の治療のために使用されています。イギリスなどの諸外国では状況性および全般性の不安症状の解消のためにもβ受容体遮断薬は使用されています。
    スピーチや発表会など人前に出る場面で緊張しやすい方や、あがり症の方が緊張緩和のために個人輸入を利用して購入することが多いようです。日本では、プロプラノール塩酸塩はインデラル、アテノロールはテノーミン、ナドロールはナディックという名前で製造・販売されています。


  • フロセミド(商品名:ラシックス
  • フロセミドはループ利尿薬といわれるお薬です。日本では、ラシックスという名前で製造・販売されています。服用することで身体の中の余分な水分を腎臓でろ過し、尿として排出する作用があります。フロセミドは身体のむくみ取りとして、ダイエットや飲み会後の顔のむくみ、立ち仕事による下半身のむくみが取れると一般の方だけでなく芸能人やモデルの方にも愛用者がいるほどでした。
    フロセミドもプロプラノールやアテノロールと同様、スマートドラッグとは言えません。「ピラセタムやアトモキセチンは百歩譲って規制されるのはわかるかもしれませんが、なぜ利尿剤のフロセミドまで規制?」とネットやSNSでも話題になっていました。しかし、規制対象に決まってしまったものは仕方がありません。大人しく代わりになるお薬を探すのが建設的でしょう。


    ベストケンコーで手に入る代替品になりそうなお薬・サプリメントは?

  • ドネペジル塩酸塩(商品名:アリセプト
  • 認知症を改善するお薬として有名なドネペジル塩酸塩です。服用することで脳内の神経伝達であるアセチルコリンを増加させ、記憶力や認知機能を改善することができます。
    ドネペジル塩酸塩は、日本でもアリセプトという名前で販売されており多くの方に服用されています。本来の薬効は、軽度および中等度のアルツハイマー型認知症の症状進行抑制です。
    効果は強力ですが安全性が高く、スマートドラッグとしてだけでなく、本来の目的の認知症の進行を予防するために早いうちから服用している方もいます。


  • メマンチン塩酸塩(商品名:アドメンタ
  • メマンチン塩酸塩も認知症のためのお薬です。日本ではメマリーという名前で販売されています。ドネペジル塩酸塩と同様にアルツハイマー型認知症の症状進行抑制に使用されますが、こちらのメマンチン塩酸塩は中等度から高度にも服用することができます。
    ドネペジル塩酸塩とは作用が異なり、脳内の過剰なグルタミン酸による記憶・学習障害を抑制することで記憶力上昇などの効果があります。ドネペジル塩酸塩と併用することでより効果がアップするとも報告されているので、一緒に服用するのがおススメです。


  • ブレーンピル
  • 13種類の記憶力・集中力に関係する成分を含有し、1回1カプセル1日2回服用することで頭をスッキリさせ、集中力上昇、記憶力アップの効果が期待されています。有効成分はすべて天然由来のものですが、イチョウやDHA、チロシンなどの脳の働きを活性化させる有名な成分を多数含んでいます。イチョウやDHAなどは日本のメーカーからも記憶力向上サプリメントとして販売されており、多くの方に利用されています。


  • メトプロロール(商品名:ベロックゾックスーパーメットセロケンXLメトラール
  • これはスマートドラッグではなく、プロプラノールやアテノロール、ナドロールの代替品となりそうなお薬です。同じβ受容体遮断薬で、心臓の過剰な動きを抑え休ませることができます。日本ではセロケンといわれる商品名で販売され、高血圧や狭心症、不整脈の治療に使用されています。


  • トラセミド(商品名:ダイトールトール
  • こちらはフロセミドの代替品です。日本ではルプラックという名前で販売されています。フロセミドと比較して、効果の作用時間が長く、体内の余分な水分を排出する利尿作用も約10~30倍、むくみに対しても約10倍強力といわれています。効果は強力なのにフロセミドより副作用も起こしにくいといわれ、いままでフロセミドを利用していた方の多くがトラセミドに切り替えています。


    まとめ


    今回の規制で、スマートドラッグだけでなくヒトにとってメリットのある多くのお薬が輸入禁止になってしまいました。これらのお薬は海外では普通に購入できるサプリメントであったり、病院で処方されているお薬です。適切な方法で利用すれば副作用を起こすこともなく安全で、優れた効果を得ることができます。

    過剰に摂取して健康被害を起こす方が増えてしまうと、今後さらに規制が厳しくなる可能性もあります。そのため、個人輸入代行サイトを利用して購入したお薬は、副作用に注意し、適切に使用するように注意してください。


    原稿作成:薬剤師 白鳥勇磨

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